むし歯が神経に達すると、非常に強い痛みが生じます。この痛みは日常生活に支障をきたすほどで、痛み止めを服用しても効果が十分でないことがあります。歯の神経が刺激されると、炎症が進行し、冷たいものや温かいものに敏感になり、激しい痛みを引き起こします。

 
むし歯が神経に達し、強い痛みを伴う場合、麻酔が効きにくくなることがあります。この状態では、歯の神経が炎症を起こし、麻酔の効果が減少しやすくなります。その結果、治療中に痛みを感じやすく、痛みを我慢しながら治療を受けなければならないことも少なくありません。

 
歯の神経（歯髄）は、歯に栄養を運び、歯の内部を健やかに保つ重要な役割を果たしています。しかし、むし歯によって神経が取り除かれた歯は、例えるなら枯れ木のように脆くなります。そのため、強い衝撃に対して割れたり折れたりしやすくなり、結果として歯の寿命が短くなることもあります。

 
むし歯が進行し、歯が大きく崩壊してしまった場合、歯を残すことが難しくなり、抜歯が必要となることがあります。特に、歯の構造が修復できないほど損傷している場合や、感染が深く広がっている場合には、抜歯が避けられません。

 
むし歯を放置して神経が腐敗すると、歯の根の周囲に膿が溜まり、それが広がるにつれて骨が破壊されることがあります。その結果、副鼻腔炎や骨髄炎などが起こる危険性が高まります。さらに重症化すると、細菌が血流に入り全身を巡り、心臓や脳などに感染を引き起こして命に関わる可能性もあります。